そもそも最適化問題って何?
そこからかぁ。まあ、不動産鑑定士も根っからの文系人が多いから、しょうがない。
これは文章で説明するより、例題を見た方が早い。
東京海洋大学流通情報工学科の「応用プログラミング演習」の練習問題を使っています。
このように、色んな制約条件の組み合わせの中から、最適なもの(この場合は売り上げが最大になるもの)を探し出すというもの。
読んで分かるとおり、所詮一次方程式なので頑張ってやれば手計算でもできる。でも面倒だし、計算間違いはするし・・・
また、これだけらの条件のほかに、材料のコスト条件も含めて、利益最大化になると手計算では絶望的に面倒くさい。電卓でもおなじ。Excelなら何かできそうだけど,やり方知らないし。
ということで、pulpとortoolpyを使って、解いてみた。あっという間に終わってビックリ。
こんな感じでコードを書きました。
結果は、トンコケ丼22、コケトン丼24、ミックス丼20、ビーフ丼10で、売り上げが166,200円でした。
面倒な計算も20行程度のコードを書くだけで、一気に解決です。
これが不動産の鑑定評価に何か役に立つのかというと、価格を求めることには恐らく直接的には役には立たないと思います。
不動産鑑定士のくせに、しかももう還暦だというのに、なぜ今さらこのようなことを学ぶのかというと、今日の鑑定士に求められているのは単に鑑定評価書を書けますということではなくで(もちろんこれが一番大事なのですが)、依頼者に総合的にコンサルティングできる能力だと勝手に思っている。
例えば、試算を沢山持っている依頼者から、「ポートフォリオの再構成をするつもりだが、不動産部門はどんな構成にすればいいか」という相談があったとします。
金額が金額なので、キッチリ根拠のある答えを出さなければならない。そんなときにこんなIT技術を使うと、「リスクはこの程度に抑えて、不動産部門の利回りは不動産全体で〇〇%、収入は〇〇万円になります」というのをアドバイスすることができます。そのついでに鑑定評価も依頼してもらえたら最高。
公共事業の場合でも、例えば高速道路や鉄道の場合、事業をはじめる前に総予算を見積もらなければならない。その場合に、宅地、田んぼ、畑、山、その他の土地の比率と工事費の関係が難しい。全部山なら用地買収は安いけども、工事費が高くなる。平坦なところは工事費は安いが用地は高い。こんな場合でも最適化問題は役に立つと思います。
何か、鑑定評価よりこっちの方が手間がかかりそうですけどね。
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