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AI中古住宅評価ver.1.0の運用開始

執筆者の写真: 靖宏 河畑靖宏 河畑

国土交通省の不動産情報ライブラリから、2005年から2024年の間に発生した石川県の「土地と建物」の取引情報をベースに、AI中古住宅評価システムを作りました。即日運用開始しましたが、不動産鑑定事務所に中古住宅の評価以来など来るはずもないので、まず出番はありません。


土地の場合、作ったシステムで予測した対象土地の価格がどれほど正解に近いかは、路線価や地価公示などの資料と比較することで簡単に確認出来ます。


しかし中古住宅の場合、正解となる資料がありません。


そこで不動産情報サイトのSUUMOに掲載されている中古売り物件と比較してみます。


1,金沢市都心部

金沢駅から徒歩10分程度の都心部の中橋町の中古物件。


土地47㎡、1981年築の2階建て住宅68㎡、道路は3.7mと狭いです。

売り出されている価格900万円に対して予測価格は772万円






2,金沢市郊外

南部郊外の久安町の中古物件。

土地165㎡、1985年築の2階建て住宅161.42㎡と大きな建物、道路は5.3mでまあまあ。

売り出されている価格1780万円に対して予測価格は1575万円








3,加賀市郊外住宅

土地188.81㎡、1980年築の2階建て住宅113㎡、道路は6mで標準的です。

売り出されている価格500万円に対して予測価格は437万円










3か所試した結果を見ると、予測価格は売り出し価格よりも約1割安い。


ベースのデータは実際に成約した価格ですので、売り出し価格より約1割ぐらい安く成約するケースが多いのかもしれません。3つ試しただけですので、何とも言えませんけど。

この図は2番目の例「金沢市久安」の物件の予測の過程を表したもの。


一番下の16.482は平均価格(対数化後)。


平均価格からスタートして、2キロ圏、3キロ圏にコンビニがたくさんあるのでプラス。経過月数は2005年から現在までの期間でプラス。建物は建築されてから40年もたっているのでマイナス。750m圏のドラッグストアの店舗数がプラス。延べ床面積から3000m圏ドラッグストアまで全部プラス。一番上の重み付き予測値というのは、対象不動産が所在している地域の中古住宅の価格水準の予測値です。

最終的に16.572円(1570万円)になります。


これを見ると、築後の経過年数と延べ床面積の建物の要因、都心(金沢駅)までの距離、地域の状況(重み付き予測値)が予測価格に強く影響を与えているのが分かります。

 
 
 

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