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温泉旅館の鑑定評価は難しい

執筆者の写真: 靖宏 河畑靖宏 河畑

温泉旅館の鑑定で相談がありました。

以前鑑定してもらったとき(鑑定したのは県外の鑑定法人)の評価書を出してきた。

あれっ、大事なことが書かれていないよ。

たとえば住宅地ならば小学校やスーパーとの距離が重要な価格形成要因になります。

温泉旅館では、駅、もちろん大事。温泉街の中心、これも大事。

でも一つ重要なエレメントが完全に抜けている。

源泉の温度とそこからの距離、そしてその相関的関係。

たとえば源泉の温度が70度だとします。

そうすると源泉のすぐそばの旅館ではその温度のままでは浴槽に使えない。熱すぎ。

当然熱交換システムを導入して冷ますか、加水して温度を下げなければいけない。

前者ではその分設備と管理に費用がかかるし、後者では宣伝文句に源泉100%とうたえなくなります。

今度は源泉から遠い場合、夏にはちょうどいい温度で届くとしても、冬は今度は冷めすぎてボイラーで加温しなければいけなくなる。

そうするとこの温泉地では源泉に近い旅館と源泉から遠い旅館では、温度を管理するのに全く逆の設備を使うことになります。

本当は源泉がどこにあって、泉温が何度で(温泉分析所に書いてある)、旅館に到達したときには何度くらいになっている(インタビューする)、程度のことは書いた方がいいんじゃないのかな?

書いてないなあ。まあ双方が価格に依存がないならいいのかもしれないけど、

鑑定士って温泉のことあまり知らないのねとか思われるとイヤだな。

温泉一つとってもこの調子ですから、温泉旅館の評価はとても難しいです。


 
 
 
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