菖蒲湯祭りの夜、当番制で町内を夜回りします。
温泉街というのは大抵どこも大火を経験している。
昔の旅館は木造だし、今でこそセントラルヒーティングだけど昔は各部屋ごとに火鉢や掘りごたつがあった。
木造の各旅館の各部屋に炭とか練炭の火があるし、喫煙率も今よりずっと高かったわけだから、そりゃ火災のリスクは大きい。
実際山代温泉も昭和12年に大火を経験しています。
菖蒲湯祭りになると通りに夜店が建ち並びますが、火を扱っているお店も多い。
お店の人はプロだからそのあたりは抜かりないと思いますが、お祭りにやってきた人のたばこのポイ捨てもないとは言えない。
ということで、わが町内の夜回りがもう何十年も続けられています。
二人一組で拍子木を鳴らしながら(江戸時代か!)町内を一巡します。さすがに恥ずかしいので「ひのよーーじん」とか声を張り上げたりはしませんけど。
問題は受け継がれてきた拍子木。なんと昭和28年6月と書いてあります。
昭和だとしたら今年は94年だから、66年目。これが意外といい音するんです。
物持ちがいいにもほどがある。思えば死んだ父もこの拍子木もって町内を歩いてたんだろうなあ。
ここまできたら、あと34年は続けてほしいもんだ。